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公認心理師になるための進学方法とは

 公認心理師の受験資格を得るためには、大学や大学院で公認心理師に必要なカリキュラムを履修する必要があります。しかし、新しくできた資格であることから、現在在学中の場合は自分に受験資格があるのか迷うところです。ここでは条件別に分けて解説していきます。

目次



大学および大学院で履修が必要な科目


 公認心理師の受験資格を得るためには、公認心理師のカリキュラムがある大学で必要な単位を取得して卒業し、かつ公認心理師のカリキュラムがある大学院でも必要な単位を取得して卒業する必要があります。

 大学や大学院に通っている人が公認心理師の資格試験を受ける場合、現在通っている学校のカリキュラムによっては、公認心理師のカリキュラムのある大学や大学院に入学し直さなければならないこともあります。

 公認心理師になるために必要なカリキュラムは、大学で25科目と80時間以上の実習、大学院で10科目と450時間以上の実習がとなっています。以下に必要な科目を示します。

大学で必要な科目

1. 公認心理師の職責
2. 心理学概論
3. 臨床心理学概論
4. 心理学研究法
5. 心理学統計法
6. 心理学実験
7. 知覚・認知心理学
8. 学習・言語心理学
9. 感情・人格心理学
10. 神経・生理心理学
11. 社会・集団・家族心理学
12. 発達心理学
13. 障害者(児)心理学
14. 心理的アセスメント
15. 心理学的支援法
16. 健康・医療心理学
17. 福祉心理学
18. 教育・学校心理学
19. 司法・犯罪心理学
20. 産業・組織心理学
21. 人体の構造と機能及び疾病
22. 精神疾患とその治療
23. 関係行政論
24. 心理演習
25. 心理実習(80時間以上)

大学院で必要な科目

1.保健医療分野に関する理論と支援の展開
2. 福祉分野に関する理論と支援の展開
3. 教育分野に関する理論と支援の展開
4. 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
5. 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
6. 心理的アセスメントに関する理論と実践
7. 心理支援に関する理論と実践
8. 家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
9. 心の健康教育に関する理論と実践
10. 心理実践実習(450時間以上)


まだ大学に入学していない場合(小中高生)


 公認心理師を志したいと考えている現在小中高生の場合はあまり気にする必要はなく、公認心理師のカリキュラムがある大学、および大学院に進学すれば問題ありません。

 大学によって、公認心理師のカリキュラムが大学にあるが大学院にはない、もしくは大学にはないが大学院にはあるなどのケースがあるため、場合によっては大学院に進学する際、大学を変える必要が出てきます。

 受験する大学を選ぶ際には、その大学および大学院が公認心理師のカリキュラムに適合しているかを、きちんと確認するようにしましょう。


心理学を専攻している大学生の場合


 大学で心理学部に在籍している、または心理学を専攻しているからといって、公認心理師の受験資格を満たしているとは限りません。

 心理学と言っても多様にあり、公認心理師の資格試験を受験するためには、現在通学している大学のカリキュラムが公認心理師カリキュラムとの読み替えに必要な科目を満たしているかを確認する必要があります。

 このカリキュラムの読み替えは自分の判断で行わず、必ず大学に確認し、回答をもらうようにして下さい。

 科目数が足りないからと言って、大学卒業後に必要な単位だけ取得することは認められていません。もし現在通学している大学が公認心理師カリキュラムを満たしていない場合は、カリキュラムを満たしている別の大学に入学し、1年生からやり直す必要があります。


心理学以外を専攻している大学生の場合


 現在心理学以外の学部に在籍している、もしくは心理学以外を専攻している場合、そのままでは公認心理師の受験資格が得られることは一切ありません。

 受験資格を得るためには、公認心理師カリキュラムがある別の大学に入学し直して1年生からやり直すか、途中からの編入が認められる大学がある場合には編入する必要があります。

 もし大学からのやり直しをしないで心理職を目指す場合は、公認心理師の資格を諦め、臨床心理士の資格取得に絞るという考え方もあります。臨床心理士を受験する場合は、大学の専攻は問われておらず、大学卒業後に臨床心理士指定大学院や専門職大学院に進学する必要があります。


心理学系の大学院生の場合


 心理学系の大学院に在籍している場合は、自分が履修しているカリキュラムが公認心理師カリキュラムとして読み替え可能かどうかを確認する必要があります。

 読み替え可能であれば問題ありませんが、できない場合は公認心理師カリキュラムがある別の大学院に入学し直す必要があります。もし大学で心理学を専攻していなかった場合には、大学から入学し直す必要があり、非常に負担が大きくなります。

 また、仮に在籍している大学院が公認心理師カリキュラムを満たしていたとしても、大学でカリキュラムを満たした心理学を履修していなければ意味がありません。

 カリキュラムを満たした大学院を卒業後に、不足している大学学部のカリキュラムを履修するといった逆ルートは認められていませんので注意が必要です。


心理学系の大学・大学院を卒業している場合


 心理学系の大学や大学院をすでに卒業しており、5年以上の心理支援業務を経験している方は、経過措置として現任者講習を受講することで公認心理師の受験資格を得ることができます。

 ただし、実務経験は本人の自己申告で認められるものではなく、所属している施設の施設長に照明してもらう必要があります。

 一方、5年未満の実務経験の場合でも受験資格を得ることができる可能性があります。まずは自分が卒業した大学や大学院に問い合わせ、自分が過去に取得した単位が公認心理師カリキュラムに読み替え可能かを確認します。

 大学院を卒業していない場合でも、大学学部で取得した単位が公認心理師カリキュラムに読み替え可能な場合は、心理支援業務の実務経験が2年以上あれば受験資格を得ることができます。

 大学院を卒業している場合は、大学院で取得した単位が公認心理師カリキュラムに読み替え可能な場合は、実務経験がなくても受験資格を得ることができます。



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