学校心理士は学校教育に関連した5つの学会の協力で設立された、一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定している資格です。学校心理士の資格認定は1997年度に始まり、それから20年ほどで約7000人の学校心理士(学校心理士補含む)が誕生しています。
昨今の学校生活において、いじめやひきこもり、不登校、生徒の問題行動による学級崩壊など、さまざまな問題が起きています。不登校問題を見ても、小中学校の不登校児童は2015年度で12万6000人となっています。
これらの問題解決には、当事者の生徒だけではなく、その生徒を取り巻く家族や教師などへの適切な対応も必要とされています。
学校心理士は、子供が抱える問題に対してカウンセリングするだけでなく、その子供を取り巻く保護者や教師、学校などの周辺環境全体を考慮し、学校心理学の専門知識をもって心理的援助を行います。
学校心理士はその名の通り、学校が活躍の場となります。小学校、中学校、高校、特別支援学級、特別支援学校などの教育施設のほか、教育委員会、教育センター、教育相談所なども活躍の場として挙げられます。
学校心理士の資格には有効期限があり、資格を取得してから5年となっています。そのため、5年ごとに資格の更新手続きを行う必要があります。
なお、学校心理士補も5年間の期限がありますが、学校心理士補を更新することはできません。また、学校心理士補の制度は2017年度資格申請をもって廃止となっています。
学校心理士の資格取得は学会への入会も養成講座の受講も必要なく、「筆記による資格試験」「提出された書類」「ケースレポートまたは研究実績」によって審査され、認定されます。
申請条件としては以下の7つがあります。また、大学院を修了していても1年以上の実務経験がない場合には学校心理士補が認定されます。
@大学院で学校心理学に関する所定の科目を修得し、1年以上の専門的実務経験(心理教育的援助)がある
A教師をしながら、5年以上の専門的実務経験(心理教育援助)がある
B専門機関(教育委員会など)で5年以上の専門職(教育相談員など)の経験がある
C大学や大学院で学校心理学関連の授業科目を担当し、十分な研究実績がある
D学校における管理職(校長、延長、副校長、教頭など)や、教育委員会における管理職、教育行政職として心理教育的援助サービスに関する3年以上の指導的役割がある
E公認心理士資格を有している
F海外の大学院などで学校心理学の専門的教育を受けた
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